ロードレースの格付けとチーム区分:「2.2」や「プロシリーズ」の読み方
ロードレースの記事や大会概要には、「UCIアジアツアー2.2クラス」「UCIプロシリーズ」「コンチネンタルチーム」といった言葉がよく出てきます。これらは国際自転車競技連合(UCI)が定めるレースとチームの格付けで、どんな選手がどれだけ集まるレースなのかを知る手がかりになります。この記事では、その読み方を整理し、栃木県で開かれてきたレースに当てはめてみます。
格付けや出場資格の細かな条件は、UCIの規則改正によって変わります。正確な条文はUCIの規則(Regulations)のロード競技の章で確認してください。日本国内の競技規則や登録については日本自転車競技連盟(JCF)が案内しています。
格付けの記号は「数字+クラス」
UCIのカレンダーに載る男子ロードレースには、「1.Pro」や「2.2」のような記号が付きます(UCI race classifications)。
- 前の数字:「1」は1日で勝負が決まるワンデーレース、「2」は複数の日にわたって走るステージレースです。
- 後ろの部分:レースの格を表し、上から順に「UWT(UCIワールドツアー)」「Pro(UCIプロシリーズ)」「1」「2」となります。
たとえば「2.UWT」はワールドツアーのステージレースで、三大ツールと呼ばれるツール・ド・フランスなどがここに入ります。「1.Pro」はプロシリーズのワンデーレース、「2.2」はクラス2のステージレースです。このほか、23歳未満の選手のレースには「U」(例:2.2U)、各国の代表チームによるネイションズカップには「Ncup」が付きます。プロシリーズは2020年のカレンダー改編で設けられた区分です。
チームの3つの区分
UCIに登録するプロのロードレースチームは、大きく3つの区分に分かれます。
| 区分 | おもな特徴 |
|---|---|
| UCIワールドチーム | 最上位の区分。ワールドツアーのレースに出場する権利と義務を持つ |
| UCIプロチーム | 第2の区分。ワールドツアーには主催者の招待(ワイルドカード)などで出場する |
| UCIコンチネンタルチーム | 第3の区分。各国の自転車競技連盟を通じて登録し、おもにクラス1・2のレースを走る |
このほか、国や地域の代表チーム、規則で認められた範囲のクラブチームなどが出場できるレースもあります。日本の国内リーグで走るチームにも、UCIコンチネンタルチームとして登録しているチームと、国内登録だけのチームがあります。
格付けで変わる出場チーム
どの区分のチームが出場できるかは、レースの格付けによって規則で決められています。大まかにいえば、格付けが上のレースほどワールドチームの比率が高くなり、クラス2のレースはコンチネンタルチームや代表チームが中心になります。ワールドチームはクラス2のレースには出場できません。
格付けは、選手やチームが獲得するUCIポイントの多さにも関係します。上位のレースほど配分されるポイントが多く、ポイントはランキングやチームの区分にも影響します。そのため、格付けはレースの「格」であると同時に、チームにとってはどのレースを走るかを選ぶ基準にもなっています。
栃木のレースに当てはめると
2017〜2019年に県内全域で開かれた3日間の国際ステージレースは、UCIアジアツアーの「2.2」クラスでした。ステージレースのクラス2なので、国内外のコンチネンタルチームや、地元の地域密着型チーム、県選抜チームが出場する構成になっていました(大会の歩み)。アジアツアーは、UCIが大陸ごとに設けているコンチネンタルサーキットのひとつです。
一方、宇都宮市のジャパンカップサイクルロードレースは、栃木県の資料でも「UCIよりプロシリーズに認定されたアジア最高位のロードレース」と紹介されているワンデーレースです。ヨーロッパのワールドチームが来日して出場するのは、この格付けの高さによるものです(ジャパンカップと宇都宮の自転車文化)。
ステージレースの各賞を読む
ステージレースでは、ステージごとの勝者とは別に、大会全体を通した成績で複数の賞が決まります。賞の名称や細かい計算方法は大会ごとの規則で定められますが、代表的なものは次のとおりです。
- 個人総合時間賞:全ステージの所要時間を合計し、最も短い選手が総合優勝です。ステージ上位やゴール前の中間地点で与えられるボーナスタイム(タイムの減算)がある大会もあります。
- ポイント賞:ステージの着順や中間スプリント地点の通過順位に応じたポイントの合計で競います。スプリンターが狙う賞です。
- 山岳賞:指定された上り坂の頂上を上位で通過した選手にポイントが与えられます。
- 新人賞・チーム総合:若い選手の総合成績や、チームの上位選手のタイム合計で競う賞を設ける大会も多くあります。
各賞の首位の選手は、色の異なるリーダージャージを着て次のステージを走るのが一般的です。沿道からジャージの色を見分けられるようになると、観戦はぐっとおもしろくなります。個人タイムトライアルが総合順位に与える影響は「個人タイムトライアルとは」で解説しています。
観戦に生かすには
大会の公式サイトや大会概要に書かれた格付けを見れば、出場するチームの顔ぶれやレースの展開をある程度予想できます。ワンデーレースなら1日で勝者が決まるため、勝負どころの上り坂やフィニッシュ地点が見どころです。ステージレースでは、総合争いをしている選手が誰か、山岳賞やポイント賞のジャージを誰が着ているかを確かめておくと、同じ集団の通過でも見え方が変わります。観戦場所の選び方は「沿道観戦の場所選び」を参考にしてください。


