走る

栃木県サイクリングルートの4本:ナス1、おにハチ、ワタ8、ルートNIKKO

走る · 公開 2026-10-25

栃木県には、県が市町や関係団体と協議して設定したサイクリングのモデルルートが4本あります。県北の「ナス1」、県東の「おにハチ」、県南の「ワタ8」、県西の「ルートNIKKO」です。いずれも道路に青い矢羽根の路面表示や案内看板が設けられ、地図がなくてもある程度たどれるように整備されてきました。この記事では、4本のルートの成り立ちと特徴を、栃木県の協議会資料にもとづいて紹介します。

ルートの延長や経路は、協議会で決定された時点の資料による数字です。その後に変更されることもあります。最新のルートマップは栃木県「サイクルツーリズムの推進について」で確認してください。

ルートが生まれた背景

栃木県は2020年3月に「栃木県自転車活用推進計画」を策定し、その目標のひとつに「サイクルツーリズムで成長する“とちぎ”」を掲げました。県の資料は、北から西に那須連山・日光連山、東に八溝山地が連なり、中央から南に関東平野が開ける地形を、変化に富んだルートをつくれる条件として挙げています。

ルートづくりは、県北・県東・県南・県西の4地域ごとに推進協議会を設けて進められました。コンセプトは「県全域、全市町を網羅」することです。名称は委員などの提案から候補を選び、一般投票で決める方式がとられました。いずれも名前の前に「栃木県サイクリングルート」が付きます。2024年2月には、4本のモデルルートどうしを結ぶ連携ルートも、栃木県広域サイクルツーリズム推進協議会で決定されています。

県や市の自転車活用の計画は、観光だけでなく日常の移動も対象にしています。通勤や買い物に自転車を使う場合の家賃や移動費は「自転車で暮らす場合の生活費比較」にまとめています。

4本のルートの概要

地域名称決定延長(資料の時点)
県北ナス1(イチ)2020年度約144km
県東鬼怒川・八溝サイクルルート(おにハチ)2022年—
県南ワタ82022年7月約188km
県西ルートNIKKO(ルート25)2023年3月約198km

県北:ナス1

第1弾として2020年度に決まったルートです。県の紹介資料によれば、県北地域の6市町を通り、那須連山の雄大な景色、温泉、牧場、那珂川や田園風景、社寺などを巡る全延長約144kmのルートです。那須高原の上りを含むため、標高差と気温の変化には注意が必要です(那須高原を自転車で走る)。

県東:おにハチ

鬼怒川の流域と、県東部の八溝山地のふもとを結ぶルートで、2022年3月の協議会でルートが、同年7月に名称が決まりました。協議会資料の地図には宇都宮駅や益子駅、真岡鐵道の駅などが拠点として示されており、里山の丘陵と陶芸の町をめぐる構成です。

県南:ワタ8

2022年7月11日の協議会で、全延長約188kmのルートと名称が決まりました(協議会の議事概要では「ワタラセ8」と表記)。名前のとおり渡良瀬川の流域が舞台で、平坦な区間が多いのが特徴です。ラムサール条約湿地の渡良瀬遊水地の走り方は「渡良瀬遊水地を自転車で走る」で紹介しています。

県西:ルートNIKKO

最後に決まった県西のルートで、2023年3月13日の協議会資料によれば、宇都宮市・鹿沼市・日光市・塩谷町を通る全延長約198km。最高地点は日光市の湯元温泉周辺で標高約1,489m、最低地点は宇都宮市内の約92mと、標高差の非常に大きいルートです。名称は一般投票(261票)で131票を集めた「ルートNIKKO(ルート25)」に決まりました。

宇都宮側ではJR宇都宮駅を玄関口とし、田川サイクリングロードの一部や、ジャパンカップの舞台である森林公園周辺を通ります(ジャパンカップと宇都宮の自転車文化)。鹿沼市の古峰ヶ原は、地元のサイクルマップで「ヒルクライムの聖地」と紹介されている上りです。

日光のいろは坂の区間には「イロハライド」という愛称が付けられました。協議会資料は、急勾配と計48か所のつづら折り、一方通行、延長約16kmという条件から、この区間を上級者向けとして注意喚起する方針を示しています。上りの第2いろは坂は約9.5km、下りの第1いろは坂は約6.5kmです。詳しくは「日光いろは坂を自転車で上る前に」を読んでください。

路面表示と案内看板の読み方

ナス1で採用され、ほかのルートにも引き継がれた表示は3種類です。

矢羽根は自転車専用の通行帯ではなく、車と道路を共有していることを知らせる表示です。表示があっても、車道の左側を走る、交差点では二段階右折をするといった基本のルールは変わりません(ヘルメット・保険・青切符のルール)。

走る前の準備

4本のルートは、かつて県内全25市町をめぐった国際ステージレース(大会の歩み)と同じく、県全体を自転車でつなぐ発想で設計されています。レースの舞台となった町を、自分のペースでたどってみるのもよいでしょう。

あわせて読みたい

同じカテゴリー: 走る